管理組合適正化
平成23年8月28日に築10年目のマンションで初めての総会が開かれました。
9年半の間、建築主の代表者が区分所有者となり、また、建築主の代表者が管理業者として当該マンションと管理委託契約を締結していた。管理組合発足2年目より分譲時の「管理に係る承認」書に基づきその代表者が理事長に就任した。当該マンションを管理している管理業者は、マンション管理適正化法に基づく登録はしておらず、いわゆる無登録営業であった。
この9年半の間に一度も総会を開かず、理事長以外の役員の選任もないまま違法な状態であり、管理組合は機能していなかった。
区分所有者の一人がこの状況に不審を抱き京都府マンション管理士会の無料相談会に来て、たまたま小職が対応することとなった。
その後、弁護士を交え対応を協議し、管理組合適正化に向け区分所有者有志会を立ち上げ徐々に賛同者を増やしていった。発起人であり世話人の区分所有者のパワーとバイタリティーには脱帽した。
理事長に総会招集請求を行ったが、総会招集はなされず、世話人が総会を招集し、この28日に初めての臨時総会にこぎつけた。その臨時総会で役員の選出を行い、10年目にして初めて区分所有者の手に自治権が戻り、管理組合が機能し始めた。また、無登録業者であり、管理委託契約の業務を履行していない管理会社との委託契約の即日解除を決議した。
現在の課題は、新管理会社との管理委託契約の締結と旧管理会社との引継ぎである。一番の問題は、旧管理会社が管理組合の財産をきっちと分別し保全しているかである。この9年半収支報告書なるものは配布していたが、通帳の残高を証明するものは何一つ提示していない。収支報告も単年度の数字合わせで、通年では辻褄が合わない状況である。
小職も本臨時総会において管理組合の顧問として承認されたが、課題が山積しており、まず、日常の管理について新管理会社との調整と旧管理会社からの引き継ぎ、特に管理組合の財産の保全について弁護士と協議しながら訴訟も視野に入れて対応をしていく方針である。
今回のケースはレアなケースですが、区分所有者が無関心から目覚め、自分たちのマンションを自分たちの手で管理しなければ食い物にされ、気が付けばマンションの財産も資産価値も失ってしまいます。
今からでも遅くないです。何か変だと思ったらお気軽にメールやお電話ください。自分たちの財産は、誰も守ってはくれません。お気をつけて!